当事者の心を深く聴いて対話を促進する調停人への道~第二章~

こんにちは、ADR委員会です。

2020年2月22日(土)ー23日(日)に、
調停・対話促進の技法(ADR)トレーニング ステップアップ編を開催します。

本トレーニングは、
2019年6月に東京で、2019年11月に岡山で開催された
ADRトレーニング 基礎編の続編となります。

主な対象者は今年度の基礎編履修者ですが、

昨年以降、私共主催のトレーニングを始め、
何らかのADRに関する研修を受講した経験のある方は、受講いただけます。

(2019年6月東京開催の様子)

多様性が受け入れられる社会の過渡期としての今

日本の社会で長く見られた「○○は○○であるべき」という固定観念や画一的な価値観はグローバル化とともに変化しています。

現代社会においてはもはや「これが普通の人生」というスタンダードは崩れ、考え方・価値観・哲学・宗教・生い立ちなどを背景とした個人の多様性が尊重されるようになりつつあります。

多様な価値観や多様な選択肢は、人の自由な意思決定を尊重し、自律を促します。

しかしその一方で、社会環境の醸成が追い付かず、多様性の前提となる相互理解がなされていないことで起こる衝突(紛争)が増えています。

いくら政策的に外国人労働者を増やそうとしていても、

また、いくら障碍者雇用を促進しようとしていても、

ソフト面やハード面での調整支援が不足しているため、現場では受け入れの体制がまったく追いついていないこと。

5人に1人が不登校の状態でも、公的な学校以外の学習環境に関する体制整備が整っていないこと。

大学生の学力低下や海外離れに警鐘が鳴らされる一方で、新卒一括採用という慣例を崩さないというダブルスタンダード。

多様性を受け入れる社会に変わっていくためのハードルは、例を挙げるときりがありません。

私たちは、

個々人の背景を尊重しながら紛争を解決するためには、画一的な解決を図ったりどちらか一方を押さえつけるのではなく、

対話を通じてお互いの考えを理解し、両当事者にとって最適な解決を見出すことが求められると考えています。

ADRは対話を通じた紛争解決方法であり、現代のような過渡期である混迷した社会において、柔軟な対応力を持った紛争解決メニューのひとつです。

 

私たちが本トレーニングを行う目的は2つ。

□ADRを紛争解決の一つの選択肢として提案できるようになる

□自らも、ADRにおいて調停人や事件管理者として活躍できる

そんな司法書士を増やしていくためです。

長年、書類作成という業務を通して当事者支援を行ってきた司法書士には、ADRの担い手となる哲学と能力が、潜在的に備わっていると考えます。

基礎編で学んだこと

ADRトレーニング基礎編で学んだことを振り返るために、アンケート結果を引用したいと思います。

「思っていた以上に、ADRは奥が深く、難しいと感じました。一つ一つ習得していきたい。」

「交渉ロールプレイで、当事者の役をやったことは新鮮でした。改めて当事者だけでの問題解決が難しいだろうと実感できADRの必要性を感じます。」

「ADRが依頼者にとって満足のいく内容となり、且つ広く普及されるにはどうすればよいのか、と少し考える様になりました。」

「一対一の対話の難しさも、調停人が介入することで、穏やかに話ができることを理解できた。」

「どうすれば観察が上手くできるようになるのか。話を聞くのと当事者・調停人の様子を見るのを全部するのはむずかしい。」

「短時間で調停人と当事者の間に信頼関係が築かれたようですが、どうしたらそのようなことが可能なのでしょうか?」

基礎編では主に、

□ 一対一の『交渉』と、第三者が介入する『調停』との違い

□ コミュニケーションエラーが起きる仕組み(メッセンジャーライン)

□ 理解の順番と、話の聴き方(理論と実践)

□ 非言語領域の観察方法

□ 調停人と両当事者の『はじめての出会い』

□ 調停ロールプレイ

などのプログラムを行いました。

アンケートを読むと、これまでの司法書士業務とは全く違うADRの魅力や新鮮さを感じる一方で、その奥深さや難しさにも気づかれていることが分かります。

ステップアップ編では何を学ぶか?

基礎編では、調停人と両当事者の『はじめての出会い』の場面から、

当事者の話を丁寧に聴いて理解していく調停の前半部分を学びました。

基礎編を受けた方は、このあと両当事者の話がどのように整理され、話し合いが収束に向かっていくのだろう?と気になった方も多いと思います。

ステップアップ編では、調停の後半部分を学びます。

具体的にはこのようなプログラムを予定しています。

□ 聴く(上級編)

□ 課題の特定

□ 選択肢の開発

□ ホワイトボードの活用方法

□ 調停人の倫理

□ 調停ロールプレイ

 

基礎編と比べて、より調停の実際の場面に即した内容になります。

ワークや調停ロールプレイの時間も多く取りますので、短期間で凝縮された経験を積むことができます。

また、『聴く』や『課題の特定』、『選択肢の開発』は相談業務をはじめ、普段のコミュニケーションにおいても役立つ実践的なプログラムです。

開催概要

調停・対話促進の技法(ADR)トレーニング【ステップアップ編】

主催:ADRトレーニング準備委員会

日時:
2020/2/22(土)10:00~18:00
2020/2/23(日)10:00~17:00
※2日間全日参加を原則とします。

場所:宇都宮市社会福祉協議会
〒320-0806
栃木県宇都宮市中央1丁目1番15号
(宇都宮市総合福祉センター内)
アクセスはこちらから

募集人数:20名

参加資格:当委員会主催のトレーニング、もしくはADRについて何らかの研修を受講したことのある方

料金:15,000円/2日間

講師紹介

神奈川県司法書士会調停センター所属
ADR委員会 委員長
山崎 梨紗

茨城県司法書士会調停センター
センター長 黒澤 竜太

静岡県司法書士会調停センター”ふらっと”
副センター長 芝 知美

上記の3人をメイン講師として、その他の運営メンバーが複数体制で、トレーニングを支えます。

Q&A

Q.一人で参加することに不安があります。

A.本トレーニングには一人で参加される方がほとんどです。
初日は緊張しますが、体験学習形式で他の参加者と交流する機会が多いため、2日目には全体的に仲良くなっている様子です。
不安な方には運営スタッフがフォローいたしますので、どうぞ勇気を出してご参加ください。

Q.一日だけの参加じゃダメでしょうか?

A.土日二日間というのは長いですよね…。
しかし、一日目で個別具体的な場面のスキルを学んで二日目でロールプレイ形式で実践、という構成になっておりますので、よろしければあなたの二日間を丸ごとお預けいただければ甚喜です。一日参加と両日参加では、学習効果がまるで違ってきます。
どうしてもという事情のある方は、ご相談ください。

Q.司法書士以外も参加できますか?

A.はい!大丈夫です!本トレーニングの参加者は主に司法書士ですが、ときどき他士業の方や他分野の方がいらっしゃいます。
多様な価値観、物の見方、意見が出ると学びが深まりますので、大歓迎しております。

最後に、大切なお知らせ

従前より本トレーニングは『全国青年司法書士協議会』主催事業として行ってきましたが、

この度のステップアップ編より、
ADRトレーニング準備委員会という任意団体として本トレーニングを主催する運びとなりました。

この変更により、本トレーニングは『乙単位』からは外れますのでご了承くださいませ。

これまで全国青年司法書士協議会で6年間、300名以上の受講者と共に培ってきた経験値を存分に生かし、
新団体にてさらにパワーアップしたトレーニングをみなさまにお届けしたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(運営メンバーによるZOOM会議の様子)

申し込みはこちらから